近年、フリーランスなどの個人事業主が増えたことや、フリーアドレス制などオフィスを離れて働くワーカーが増えてきたことから、コワーキングスペースという新たなオフィスの形がメジャーとなりました。
さまざまな業種のワーカーが集まるコワーキングスペースは、シェアオフィスとはどんな違いがあり、また、それぞれどんな人に向いているのでしょうか。
おすすめのコワーキングスペースとシェアオフィスも含めてご紹介します。
コワーキングスペースとは
コワーキングスペースの最大の特徴は、コミュニティ形成に重点が置かれているというところです。
コワーキングスペースは、定期的に利用するメンバーのスペースに加えて、不特定多数の人が一時的に利用する「ドロップイン」と呼ばれるスペースが多く、これがコミュニティ形成の土台となっています。
より多くの人が利用することで、セレンディピティ(偶然の出会いやアイデアの発見)に遭遇するチャンスを狙っているのです。
さらに、不定期に行われる勉強会や交流会などのイベントを通じ、意見交換などを行うこともできます。
本人のコミュニケーション能力やタイミングにもよりますが、自分の仕事に協力してくれる人を見つけることも可能です。
なお、以上のようにコミュニケーションが活発に交わされることから、静かなところで集中して作業したいという人には向いていないかもしれません。
現在、日本のコワーキングスペースは個人利用が圧倒的に多いですが、
今後は海外のように社外リソースとの協業や、アントレプレナーシップの醸成を目指す法人利用が加速するかもしれないと言われています。
シェアオフィスとの違い
シェアオフィスとは、自社だけではなく、複数の企業や個人の利用者がフリーアドレス形式で使用するオフィスのことです。
コワーキングスペースはコミュニティ、シェアオフィスは個人作業に重点が置かれているのが大きな違いでしょう。
つまり、シェアオフィスでは既に動き始めているプロジェクトを中心にネットワークやコミュニティが形成されやすいのですが、
コワーキングスペースでは新しいアイデアやビジネスを生み出すためのコミュニティが生まれやすい、と考えるとわかりやすいかもしれません。
コワーキングスペースのメリット・デメリット
コワーキングスペースとシェアオフィスのメリット・デメリットは似ていますので、コミュニティ形成に関する諸問題を除けば、コワーキングスペースとシェアオフィスのメリット・デメリットはほぼ同じと考えて良いでしょう。
メリット
コワーキングスペースのメリットには、主に以下の4つがあります。
- オフィス所有のためのコスト(初期投資・維持コスト)を削減できる
- 立地環境が非常にいい場合が多い
- 通勤しやすい場所を選べる
- 様々な業界の起業家と交流を持てたり、独自のネットワークを広げられたりする
デメリット
コワーキングスペースのデメリットには、主に以下の3つがあります。
- コミュニティ形成を目的として利用する人が多いため、集中して作業したい人には向いていない
- セキュリティや共有設備の利用には十分注意が必要
- 資料を置き忘れたり、情報を紛失したりという問題が起こり得る
複数の企業や多くの人が利用することから、セキュリティ面での問題は重要です。
そのため、基本的にはセキュリティ対策をしっかり行っているオフィスが多いですが、個々のワーキングスペースの置き忘れなど、身の回りのセキュリティには十分注意して利用しましょう。
コワーキングスペースとシェアオフィス、それぞれどんな人に向いている?
では、コワーキングスペースとシェアオフィスはそれぞれどんな人に向いていると言えるのでしょうか?
コワーキングスペース
コワーキングスペースが向いている人はこんな特徴を持った人です。
- 企業や事業の規模に関わらず、コミュニティを形成したい人
- 新しい事業・アイディアを創造し、それをビジネスに活かしたいという目的を持った人
そこで個々の作業を進めるというよりは、様々なバックグラウンドを持つ人が同じ場所に集まり、
同じ時間を共有してお互いに刺激を受けるという副産物の方が重要だということです。
シェアオフィス
シェアオフィスは、コワーキングスペースと比べるとより個人単位での作業に集中することが目的の場所と言えます。
そのため、移動時間を短縮したり、外出先で仕事場を確保したい営業パーソンなどに向いています。その性質から、同じ空間ではあっても、それぞれがしっかりと集中できるよう個人ブースのように仕切られているオフィスも少なくありません。
どんなところから探す?おすすめ3選
最後に、コワーキングスペースとシェアオフィスのおすすめを3つずつ、簡単な特徴とともにご紹介します。
コワーキングスペース
WeWork
「Me」として「We」の仲間に参加するというミッションを掲げ、コミュニティ形成に大きな力を入れる
サーブコープ
1978年からの歴史あるレンタルオフィスで、コワーキングスペースでも秘書のサポートが受けられる
リージャス
120ヶ国に3,000拠点と、世界最大の圧倒的なネットワークを持ち、ニーズに合わせて細かく使える
シェアオフィス
クロスオフィス
レンタカーなどでも有名なオリックスの運営で安心感があり、内装がおしゃれ
アセットデザイン
東京、横浜、名古屋、大阪など首都圏の便利な場所にあるので、出張の際にも使いやすい
ビジネスエアポート
ワンランク上のラグジュアリーなインテリアで仕事ができ、ライブラリも利用できるワークスペース
まとめ
コワーキングスペースは立地の良さや内装などの環境に加え、さまざまな業種の人が同じ時間・場所に集まり、コミュニティを作ることが主目的です。コミュニティ作りか個人作業かでシェアオフィスと使い分けましょう。