サイト内検索

近年需要の高まっている企業内保育とは?メリット・デメリットは?

この記事をシェア

近年、女性の社会進出や共働き家庭の増加、核家族化など家族形態のさまざまな変化により、保育所の需要は年々増加しており、待機児童のニュースを聞かない日はないほどです。政府からも女性の就業率や復職率を上げながらも出生率を上げられるよう、子育てを支援する政策が次々と打ち出されています。そこで、近年需要の高まっている企業内保育についてまとめました。福利厚生の1つとして、設置を検討してみてはいかがでしょうか。

仕事と育児の両立で保育所の需要が変動

そもそも、なぜ保育所の需要が増えてきたのでしょうか。

女性の社会進出と保育所

近年、女性の社会進出と核家族化が進んできたことから、両親が働いている間に子どもの面倒を見てもらえる場所として保育所の需要が増えました。すると、保育所に入りたくても入れない「待機児童」も増加していきます。そこで、子どもを持つ女性社員が育児と仕事を両立できるよう、社内に保育所を設置する企業が増えてきました。さらに、政府も待機児童解消のため、企業主導型保育事業の促進に乗り出したのです。

待機児童と政府の後押し

厚生労働省の統計によると、待機児童数のピークは2010年で、26,000人を超えていたのですが、2011年からは減少していき、2014年には約21,000人にまで減少しました。ところが、2015年からは再び増加し始め、2016年には約23,500人となっています。

こうした経緯を受け、政府は2013年に「待機児童解消加速化プラン」という指針を打ち出しました。この指針を受けて全国の保育所の定員は急速に増加していき、2年間で30万人程度の受け入れを増やすことに成功したのです。さらに、2017年度末までの保育の受け皿整備目標を40万人分から50万人分に上積みした結果、2018年4月時点の待機児童数は約19,800人となり、10年ぶりに2万人を下回りました。

この間には女性の就業率も約67%から約74%へと7%も増加していることから、女性の社会進出と保育所問題は切り離せない問題であり、女性が安心して社会で働くためには、保育の受け皿を増やすのが急務であると言えそうです。

参考資料:内閣府 令和元年版 少子化社会対策白書(2019年9月調査)

企業内保育とは?

企業内保育とは、従業員が仕事中に子供を預けられるよう、企業(事業所)内またはその近くに設置された保育施設のことです。これにより、待機児童問題で地域の保育園に子供を預けられず、「働きたくても働けない」という女性の社会進出を後押しするとともに、妊娠・出産による離職率を下げるという効果も期待できます。

企業内保育にはどんな種類があるの?

企業内保育の種類としては、以下のような形態が上げられます。

  • 企業内またはすぐ近くに設置された託児所(企業が事業委託をして設置)
  • 事業所内保育所(市区町村の認可が必要)
  • 企業主導型保育所(市区町村の認可は必要ない)
  • キッズスペース併設型シェアオフィス
  • 保育所付きコワーキングスペース、サテライトオフィスなど

このうち、企業が従業員のために設置する施設として、「事業所内保育所」と「企業主導型保育所」について、以下で詳しくご紹介します。

政府から助成金を受けられる?そのための規定は?

政府が待機児童問題の解消に力を入れていることから、事業内保育所や企業主導型保育所を設置した企業は、補助金を受けられるようになっています。事業所内保育所は「地域型保育事業」の一環であり、市区町村の認可が必要なことから、認可保育園と同等の施設と考えて良いでしょう。

一方、企業主導型保育所は認可外保育施設という扱いのため、自治体に認可を受けることなく(報告は必要)、柔軟な保育サービスを実現できます。それぞれ、補助金を受けられるような施設とするための規定は以下のようになっています。

事業所内保育所

【規定】

・職員の資格:

▽定員20人以上:最低2人、0歳児3人に対して1人、1〜2歳児6人に対して1人

▽定員19人以下:最低2人、半数以上が保育士、他は保育従事者。保育士以外は研修実施

・対象年齢は0〜2歳(3歳児以上は連携園に入園)

・定員の1/4は地域枠として開放が義務

【受けられる助成金】

・設置費(設備費):大企業は全体の1/3(上限1,500万円)、中小企業は全体の2/3(上限2,300万円)

・増築費:大企業は全体の1/3(上限は増築750万円、建て替え1,500万円)、中小企業は全体の2/3(上限は増築1,150万円、建て替え2,300万円)

・運営費:大企業は職員1人あたり年額34万円(上限1,360万円)、中小企業は職員1人あたり年額45万円(上限1,800万円)

【申請先】

都道府県労働局

※2019年9月調査時点の情報です。

企業主導型保育所

【規定】

・職員の資格:最低2人、半数以上が保育士、他は保育従事者。保育士以外は研修実施

・対象年齢の制限なし

・1/2までの範囲で地域枠の設定が自由

・従業員の子供だけでの利用も可能

・0〜1歳児:乳児室またはほふく室3.3㎡/人

・2歳児以上:室内1.98㎡/人、屋外遊技場3.3㎡/人

【受けられる助成金】

・設置費(設備費):施設設備に必要な費用の3/4

・増築費:なし(園児が増えた結果の増築の場合、申請が通ればOK)

・運営費:最大で全体運営費の95%、中小企業で最大97%

【申請先】公益財団法人 児童育成協会

企業主導型保育所は、単なる認可外保育施設とは異なり、保育士の割合や研修の義務、設備の規定が認可保育園と同じ基準になっています。そのため、子供がのびのびと遊べて比較的安心というメリットがある保育施設です。

※2019年9月調査時点の情報です。

企業内保育所のメリット・デメリットは?

このような企業内保育所を設けるにあたり、企業側のメリット・デメリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか。

メリット

  • 優秀な人材確保や離職防止、女性の就業率の増加になる
  • 子供の顔が見える安心感から、従業員に働きやすい環境を提供できる
  • 利用者は同じ企業で働く従業員がほとんどになるため、従業員の人間関係のストレスを軽減できる
  • 企業のイメージアップにつながる

デメリット

  • 助成金は出るものの、企業が負担するところもあるため、多少は経営上の負担となる
  • 利用者が満員電車などで通勤している場合、子供を同伴するのが難しい場合もある
  • 地域の保育園と比べ、行事が充実していない
  • 通常の保育園ほどの集団行動にはなりにくい

ただし、地域の保育園と比べて充実していないと考えられる部分に関しては、広い園庭を設けたり、優秀な保育士を採用したりして保育の質を高めている企業もあります。

設置までのフロー

最後に、企業内保育所設置までのフローを簡単に見ていきましょう。

  1. 社内ニーズの把握(何歳の子供が何名保育所を必要とするか、預かり時間も)
  2. 自社単独or複数or地域枠を設けるのか、運営は直接か業務委託か
  3. 自治体への相談(※企業主導型であっても、消防法や食品衛生法などを守る必要がある)
  4. 設置場所の確認・確保
  5. 申請手続き
  6. 開所に向け、人員整備や費用の検討

とくに、自社単独で設置するのか、複数企業と連携するのか、企業主導型保育所の場合は地域枠を設けるかどうかという部分は非常に重要です。社内ニーズや周辺の保育環境なども合わせ、よく検討しましょう。

まとめ

企業内保育所は、両親ともに子どもと距離が近づくメリットがある反面、通勤に子どもを同伴するなどの課題もあります。

設置を検討する場合は、従業員の状況を把握し、ニーズをよくヒアリングしましょう。
その上でどのような形が最適なものなのか?を判断しましょう。

今すぐ
お問い合わせください

オフィス移転全般について、お気軽にご相談ください。
オフィス物件の選定や契約時の条件交渉・現ビルの原状回復費用削減相談なども対応させていただきます。