デスクのレイアウトは一般的に島型が多いですが、フリーアドレス式デスクなどの普及により、必ずしも島型を取らない企業も増えてきています。
今回は、業種別・業務形態別におすすめのデスクレイアウトをご紹介します。
デスクレイアウトの基本を知ろう
まずは、どのレイアウトであっても必ず知っておいた方が良い、デスクレイアウトの基本をおさえておきましょう。
デスクとデスクの間隔
デスクとデスクの感覚は、一般的に以下のスペースがあれば良いと言われています。
- 背中合わせの場合(背面型など)…150〜180cm程度
- 横の場合(島型・同行型など)…60〜90cm程度
この程度のスペースが確保されていれば、社員があまりストレスを感じることはないでしょう。
一人あたりのオフィス面積
平成10年~平成29年までの間で、一人あたりのオフィス面積の平均は12㎡から14㎡程度を推移しています。
地域やビルのグレードによっても異なりますが、このあたりを目安にしておくと、それほど窮屈さを感じずに業務ができると言えそうです。
主なデスクレイアウト6つ
それでは、主なデスクレイアウトの6パターンをご紹介します。
島型(対向型)レイアウト
島型レイアウトは、一般的なオフィスで想像されるタイプの「部署ごとに学校のグループ学習のようにデスクを集めた形式」です。
共同作業が重要な企業や、チーム連携を高める部署に向いているだけでなく、比較的オールマイティな配置方法と言えるでしょう。
●メリット
- 同じグループ間の人間がコミュニケーションを取りやすい
- 電話やPCの配線をまとめて管理できる
- グループメンバーが互いに仕事状況を把握しやすい
●デメリット
- プライバシーが保たれていないと感じることも多い
- 部署内での親密度は高くなるが、島の外との交流を持ちにくい
同向型(並列式)レイアウト
同行型レイアウトはスクール式レイアウトとも呼ばれ、学校で授業を受けるときと同じように、デスクが一方向を向いて配置されているタイプです。
定型の業務フローがあり、効率よく仕事を進めていくタイプの業種に向いています。
●メリット
- 視線が全員前を向くため、プライバシーが確保されやすい
- 入り口に背を向けることがないため、顧客に失礼になりにくい
- リーダーがデスク後部に位置すれば、仕事の状況を把握しやすい
●デメリット
- 島型配置と比べてスペースがかさむ
- リーダーはメンバーの様子を把握しやすいが、監視されているようだと感じることも
- メンバー間でのコミュニケーションが深まりにくい
背面型レイアウト
デスクの配置は島型と同じですが、向かい合う相手との間に高いパーテーションを設け、視線が合わないようにしたタイプの配置です。
共同作業と個人の専門作業を両立させることができます。
●メリット
- プライバシーが守られ、個人作業に集中できる
- 横や後ろを振り向けば、すぐに話しかけられる
- PCのモニタを見ながらでも会話や打ち合わせができる
●デメリット
- それぞれのデスクにパーテーションを設置するため、コストがかかる
- リーダーの目がグループ全体に届きにくくなる
フリーアドレス型(フリーアドレス式)レイアウト
一見、島型と同じデスク配置ですが、固定席を作らないため空いている席を自由に使えます。
仕事用のノートPCや携帯電話は各自が管理し、持ち運びながら業務を進めるタイプのワークスタイルです。
●メリット
- デスク配置は島型と同じなので、スペース効率が良い
- コミュニケーションが部署内で完結せず、さまざまなメンバーと活発に交流できる
- 通常業務とミーティングが同じ部屋で行えるため、会議室など専用の部屋が必要ない
●デメリット
- デスク利用の自由度が高いぶん、個人ごとの専門作業には向かない
- PCや書類を管理するためには、収納スペースやセキュリティに配慮しなくてはならない
ブース型レイアウト
机や椅子をパーテーションで覆い、個人作業の専門空間として独立した技術職向けのレイアウトです。
外資系企業で多く採用されていますが、日本国内でも採用する企業は増えてきています。
●メリット
- 周囲からの視線、会話の声、環境音などを軽減できるため、集中しやすい
- 環境に影響を受けず、ひたすら作業に没頭したい人に向いている
- アイデアを考えたり、一点集中したりするタイプの仕事がはかどりやすい
●デメリット
- コミュニケーションはほとんど取れない
- リーダーの目がグループ全体に届きにくい
クラスター型レイアウト
左右対称型とも呼ばれ、デスクが互い違いに配置されているため、島型と同行型のいいとこ取りができるタイプのレイアウトです。
自分の列のデスクは前向き、横の列は後ろ向きと、交互に位置します。
●メリット
- プライバシー確保とコミュニケーションの両立ができる
- デスク1つ1つにスペースが確保されるため、個人の資料をたくさん置ける
- 個人業務の集中度を上げられる
●デメリット
- 個人スペースが広くなりがちなため、オフィススペースが圧迫される
- デスクごとに独立しているため、配線の配置に工夫が必要
- リーダーがグループ全員を把握しにくい
【業種別】おすすめデスクレイアウト
では、業種ごとにどのレイアウトがおすすめなのでしょうか。
事務職・営業職など
島型がおすすめです。営業職の人数が多く、デスクを空けやすい場合は島型とフリーアドレス型の共有デスクとするのも良いでしょう。
企画・開発など
背面型レイアウトにし、個人の専門作業に集中しながらもすぐにすり合わせができるようにするのがおすすめです。
プログラマー・クリエイターなど
クリエイティブ系の専門職は、ブース型のデスクで集中してもらいましょう。
設計・デザインなど
専門職でありながら、活発な意見交換が必要なこの業種には、クラスター型やフリーアドレス型の配置が向いています。
コールセンター・秘書室など
マニュアルに沿った対応と量をこなすことが必要なコールセンターや来客に対して失礼になってはいけない秘書室のデスクは、同行型が良いでしょう。
【業務形態別】おすすめデスクレイアウト
最後に、業務形態別のおすすめデスクレイアウトをご紹介します。
活発なコミュニケーションが必要
コミュニケーションを重視する業種の場合は、島型のデスクレイアウトにしましょう。
クリエイティブ系など、アイデアが必要
クリエイティブ系など、個人作業をしながらも意見交換によるひらめき、アイデアが必要な場合、背面型やクラスター型がおすすめです。
技術職など、集中できる環境が必要
一点集中で個人作業の多い技術職は、ブース型やフリーアドレス型のオフィスと相性が良いです。
来客、多人数に一斉に指示など、全員が頻繁に同じ方向を向く必要がある
頻繁に来客がある、大人数に一斉に指示を出す必要があるなど、全員が同じ方向を向くことが多いなら、同行型のオフィスが良いでしょう。
まとめ
デスクレイアウトは、業務効率や生産性を上げるために非常に重要です。
業種や業務形態によって効率の上がるデスクレイアウトはそれぞれ異なるので、オフィスや部署に合ったレイアウトを選びましょう。